サッカーやラグビー同様、ネットが無くボディコンタクトがあるスポーツは声とコミュニケーションが重要です。
特にマンツーマンディフェンスでは、声とコミュニケーション次第で成熟度がかなり変わります。
その中でもスクリーンへの対応は、技術論2「ピック&ロールのディフェンス」で述べた以外にも、あらゆる場面で必要になってきます。
1回言ってすぐできるのは奇跡的で、
100回言ってできず101回目以降も言い続けるしかないのですが、簡単には身につかないので、声とコミュニケーションほど根気を要する指導はないと思います。
原因は練習で習慣化されていない、指導者の説明不足等色々あるでしょう。
また、言葉を覚えにくいという理由であれば正式な呼び名にこだわることなく、選手が覚えやすく言いやすい単語を共通化するという手段もあります。
ブルデビでの例をあげますと「4メートル先斜め左右を同時に見る」のは「Vビジョン」、「ディフェンスリバウンドを取られた後でダブルチームにいく」のは「リバプレ(リバウンドプレスの略)」と呼び、感覚で覚えられるようにしています。
練習法としては、2対2や3対3などの対人、数秒遅れでディフェンスが一人加わるアウトナンバーのプラス1、5対5スクリメージが効果的で、徹底して習慣化を図るのが良いでしょう。
選手間でのミスに対するコミュニケーションは特に大切です。
前向きなミスにはドンマイ、そうでないミスに対してはうまく注意し合うようにできれば理想的ですが、試合展開によって余裕がない場面ではついキツく言ってしまいがちになりますよね。
そんな時に40年程前から話しているのはバレーボール日本代表の話です。
当時世界No.1セッターだった猫田選手に翳りが見えて、実力では凌駕していた控えセッターが監督に「なぜ自分がスタメンでないのか」と尋ねたところ、「猫田は最高のトスを上げてアタッカーがミスしても『ゴメン今のは少し低かった、次はもっといいトスを上げるから頼むぞ』と声をかけるから、周りの選手が実力以上のものを発揮できるんだ」と答えたそうです。
最近テレビのドキュメント番組で、能代工業の小野HCがポイントガードの選手に同じような話をしていました。
ポイントガードだけでなく、キャプテンやエースに是非とも取り入れてほしい心がけです!
〈お勧めコーナー1〉
映画「だれもが愛しいチャンピオン」
…知的障害を持つ人達のバスケを題材にしたスペイン映画で、コミュニケーションの大切さが良くわかる珠玉の作品です。ぜひ観てね!
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